ミーヴァトン湖にある シグルゲイル野鳥博物館 へ。
野鳥博物館なのだが、いきなりマリモを見せてくれた。我々の国にもあるよと言うと、日本人か?と言う話になり、以前に日本から来た人がマリモは非常に希少だと教えてくれたとのこと。「ホッカイドウ」「レイクアカン」などの固有名詞まで知っておられ、日本とアイスランドだけかと思っていたら、後にエストニアでもマリモは発見されたのだそう。手に持たせてもらったのは3年もの、水の中に居たもので10年ものとのこと。
追記:「NHK神秘の球体マリモ」2014年放送より
ユスリカの幼虫が糸を吐き出して湖底をおさえていたが、工場の排水でユスリカの幼虫が減り、湖底の泥がマリモに覆い被さって光合成が出来ずに死んでしまって、マリモの激減している。
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色々なはく製が展示されており、日本語に訳したそれぞれの鳥さんの名前カードまで貸してくださった。その6割がアイスランドにやって来ると言うパフィンは残念ながら既にアイスランドから発ってしまっていたが、オオハクチョウはこれでもかと見ることが出来た。
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ハシグロアビや、カツオドリなどのはく製も。
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昔は、あまり食べ物のなかったアイスアンド。このような野鳥の卵は貴重なたんぱく源だったもよう。
当時使っていた船なども展示してあった。
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シーズンとしては、既に旅立って行った種類が多いのだが、カモなどが居た。
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博物館では、女性の方が詳しく説明してくださったのだが、ちょうどお土産として売っていた絵葉書にターフハウスがあったので、この近くにあるか?と聞いたところ、これまた地図まで書いて詳しく教えて下さった。そのおば様曰く、ターフハウスは、アイスランド独自の物で、木が貴重な物だった為、岩と土で壁を作って住居とした。かつて一人の女性が住んでいたが、色々と批判を受けてしまい、今は誰も実際に住んでいない。無人の場合、潰れてしまうと芝しか見えなくなるので、ターフハウスの存在がそれ以降わからなくなってしまうのだそう。40年ほど前に、住んでいた女性に家に招かれたことがあるが、中央に廊下がある造りとなっていてビックリする生活様式とのこと。

地図で教えていただいた場所まで行く途中にも、綺麗な水が流れていた。
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Grenjadarstadur i Adalbal
とても良く保存されているターフハウスがあった。あいにく公開はしていなかったが。
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とても面白い建物群。一体どうなっているのかとても興味が涌いたので、フーサヴィークに行った後にも他の所を観に行くことに。

フーサヴィーク Húsavík
西暦870年にノース人がアイスランドで初めて越冬をしたと言う記録が残っている港町。町に入ると、今までの東フィヨルドの町とは違って、魚屋さんや魚市場よりも強い今まで嗅いだことのない独特な魚の匂いが漂っているのにはビックリ。
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小さな港町だが、ここにも大きなクルーズ船が。
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1907年に建てられた教会。
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アイスランドでは捕鯨も行っており、ここフーサヴィークは現在ホエールウォッチングの拠点となっている。クジラ博物館 へ。
巨大な色々な種類のクジラの骨格標本がある。
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ヒゲクジラのヒゲは凄い!
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中世(Saga age)、ネズミイルカ、マイルカ、ゴンドウクジラ、ザトウクジラなどが獲られていて、13世紀に書かれた初めての法律書にも明記がある。漁は、モリで巨大なクジラを刺し、浜に打ち上げられるのを待つと言う方法だった。クジラ漁は19世紀まで続く。
スペインのバスク地方の人達も11世紀には秋や冬にスペインとフランス沖で捕鯨を行っていたが、獲り過ぎにより数が減った為に17世紀初頭にはアイスランドの方にまで進出して来て、アイスランド人と軋轢も生まれた。
17世紀後半になると、オランダが世界で一番の捕鯨国となり、北極海やアイスランドやグリーンランド沖などで操業し、バスク人が造った拠点を取っていく。そんな外国人による捕鯨はアイスランド人に大きな衝撃を与えた。当時オランダがアイスランドの捕鯨を独占していた為に、アイスランド人は他の国の捕鯨業者と違法操業をも行っていた。
アイスランドに於けるノルウェー人の捕鯨は、1883~1915年まで行われ、アイスランド東部や西部のフィヨルドに捕鯨基地を造り、800~1200人のノルウェー人が従事し、当時のアイスランドの国庫の20%以上を担っていた。多い時には、12もの捕鯨基地があり、1年間に1302頭のクジラが獲られた。最初の捕鯨基地は西フィヨルドに造られ、フィヨルド内のクジラが獲られていたが、クジラは海岸から離れて行った上に徐々にその数が減った為、東フィヨルドに解体基地が移転された。1901~1913年の間に5つもの捕鯨基地が東フィヨルドに造られ、最初の頃は良かったものの、獲り過ぎによりクジラの数が減った上、鯨油やまつわる商品の値段も下落した為、維持が難しくなった。1948年には、捕鯨基地は第二次世界大戦により限界となり、1948~1985年の間では、平均234頭のナガスクジラ、68頭のイワシクジラ、82頭のマッコウクジラ(~1982年まで)が獲られた。1986年以降は、国際捕鯨委員会により商業捕鯨が禁止されたことにより、調査目的の捕鯨に限られている。
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白い点はザトウクジラ、青い点はシロナガスクジラ、赤い点はナガスクジラの漁場。
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1640年に描かれたクジラの絵が面白い。
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このアイスランドの地図は1585年のもの。当時クジラは、額から歯が伸びた神秘的な一角獣と想像され、毒消しの薬になるとも、肉を食べた人は死ぬとも言われていた。(一番上のISLANDIAの文字の右側の生き物)
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ホエールウォッチングは、カリフォルニアで1950年代に始まり、徐々に人気を得ていった。当時、米国も含む各国が捕鯨を行っていた為、獲り過ぎにより多くの種類のクジラが減少していた。現在は、約90ヵ国でホエールウォッチングが行われており、アイスランドでは1988年から試みられ、1995年頃からツーリズムとなる。

地元のレストランで昼食を。
伝統的なアイスランドの2つのスターター。for the brave ones 勇気のある人に、とメニューに。左の白っぽいものは、干し鱈。まるで日本の居酒屋にでも出て来そうなぐらい、親しみのあるお味。右のしっかり匂いが漏れないように容器に入れてあるのが、発酵させたサメのハウカットル Hakarl 。ニシオンデンザメなどの脂肪部分を切り身にして発酵させたもので、所謂珍味。風邪予防や整腸作用があるのだそう。アンモニア臭が凄いが、日本のクサヤほどではなく、我々は食べられる範囲だったが、隣のフランス人夫妻は無理!と言っていた(笑)
そしてそれには、蒸留酒ブレニヴィンが合うそうなのでそのセット1950クローナ(約1755円)
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オヒョウ(halibut)のタルタルを。ディジョンマスタードやケーパーなどのハーブで和えてある。1500クローナ(約1350円)
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本日の鮮魚は、Golden Red Fish タイセイヨウアカウオとのこと。3700クローナ(約3330円)
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シーフードのスープを。具沢山で美味しい。2400クローナ(約2160円)
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この近くにも未だターフハウスがあるとのことで、この後そちらを探しに行くことに。