国会議事堂を見学し(その様子は こちら)、その前にある洋風の国会前庭北地区に寄ってみた。
国会前庭北地区 憲政記念公園
昭和35年(1960年)に作られた時計塔。3面塔になっており、立法・行政・司法の三権分立を象徴している。塔の高さは、31.5メートル。もともと時計はスイスから贈られたものだったが、今は国産の物となっており、衆参両院の開会時刻や退庁や就寝時を標準とした10時・13時・17時・22時に鳴る。
公園内に、日本水準原点 なるものが。
しかも、近代測量150年記念事業として、「新旧の測量スポット探訪ウォーキングツアー」が開催されており、お台場から始まって、レインボーブリッジを越え、ここ日本水準原点および電子基準点がゴールとなり、11月30日この日だけ一般公開されていた。
この建物は、佐立七次郎(現存する他の設計は小樽の旧日本郵船株式会社)設計による「日本水準原点標庫」で、建築史上においても価値があることから都指定有形文化財となっている。
標高は平均海面を0メートルとしているが、実用的には地上の何処かに標高の基準が必要な為、明治24年(1891年)に設置されたもの。もともと、水晶板の目盛りの0表示の高さを東京湾平均海面上24.5メートルとし、全国にある水準点の高さは、ここの水準原点に基づいて標高が決められている。地震などの対策として基礎の上に花崗岩の台とされたが、大正12年(1923年)の関東大震災により沈下したことから24.414メートルとし、平成23年(2011年)の東日本大震災時の地震によって変動した為に再度改定され、現在ここの高さは22.39メートル。三浦半島の油壷にある験潮場との間で毎年原点の変動を把握しているとのこと。
水晶板の赤い ← 部分が0
明治に設定される時に、地震などの多い東京よりも地盤が堅硬な京都が良いとされたのだが、首都や皇居のある東京となったのだそう。
電子基準点「東京千代田」なるものもすぐ横にあった。
全国約1300ヶ所に20キロ間隔で設置されたGNSS(全球測位衛星システム)により、日本の準天頂衛星や米国のGPSなどの測位衛星が、このGNSSの信号を常時観測しているのだそう。高さ7メートルで、一番上にGNSSのアンテナが付いている。
これらのある国会前庭北地区からの眺め。皇居のお濠なども見える。

この日の為に、わざわざ公開して解説して下さる方もおられるので、ならばこの場所はウオーキングツアーのゴール地点だが、さかのぼって日本経緯度原点にも行ってみることに。
日本経緯度原点は、旧東京天文台跡にあり、東京タワーのすぐ側。
明治25年(1892年)に設定。つくばには、VLBI(超長基線電波干渉法 Very Long Baseline Interferometry)による観測点なるものがあるが、やはり東日本大震災時の地震で、つくばは東に約70センチ、この日本経緯度原点は東に約27センチ変化していたとのこと。


以前の資料なども見せてくださりながら、国土地理院の方が説明してくださった。
ウオーキングツアーのルートで行けば、他にも伊能忠敬測地遺功表や、き号水準点、三等三角点などがあるが、我々はここまでとさせてもらった。
コメント
コメント一覧 (2)
あちこちの山で三角点タッチを目標にされている方は多いですが
まずは日本経緯度原点にタッチしなければなりませんね。
こんなところがあるなんて知りませんでした。
東京出張時になんとか時間を作ることができたら行ってみたいと思います。
な~が nagacumatz
が
しました