パプアニューギニアはコーヒーが有名なので、焙煎工場に行ってみた。
ジャマイカから伝わったブルーマウンテンを栽培していて、美味しい。この工場ではドイツの焙煎機を使っている。ガス200℃で15~20分で浅煎り、25~30分で深煎りになるのだそう。コーヒー豆は通常、一個の実に楕円の半球のコーヒー豆が2粒入っているが、ひとつが未成熟ないわゆるピーベリーなども出て来てしまう。きっちり2粒形良く成長するものは全体の約5%程度で、ブルーマウンテンやコナ(ハワイで有名)などになり、ピーベリーなど雑豆はネスカフェに買い取ってもらっている。

街中で見かけた名物お巡りさん。オーバーなアクションで、皆の人気者とのこと。そう言えば、ニューギニア航空の男性CAさんの機内安全説明のジェスチャーが顔の表情と共にオーバーアクションで、ついつい見入ってしまった。彼の飛行機にまた乗りたいと思ったが、それ以降は出会えず💦
マッカーシー博物館 McCarthy Museum
パプアニューギニアの世界遺産として「クックの初期農業遺跡」なるものがある。南部にある灌漑施設で9000年前~1万年前に造られた。10メートルほど掘って発掘されたのだが、現在は保存の為に埋め戻されていて、見ることは出来ない。その様子だけが博物館の壁画になっていた。
オーストラリア人のマッカーシーさんに因んだ博物館は、あいにく内部は撮影禁止の為、説明を受けた内容とネットで検索した画像で書き留めておく。
・人間の手や指などのミイラになったものを付けた首飾り。肉親が亡くなると、常に共にありたいとの願いから、燻製にした指や手をネックレスにしていた。また、亡くなった死人の身体を食べることで喪に服す風習もあった。しかし、死人の脳を食べてクール―病になる可能性が。脳の中にプリオンが出来ることが原因で、村の人口の3分の2が亡くなってしまったこともある。その潜伏期が1年程度の人もいれば、20年かかる人もおり、さまざま。1940年代までは普通に食されていたが、キリスト教の布教と共にその風習は無くなっていき、2002年に最後の患者さんが亡くなったのが最後。
・皆が持つバッグのビルムは、もともとリュウゼツランの繊維から作られていた。今は中国製の毛糸で作られている。ラバウルでは、ヤシの繊維で作ったバッグが使われる。トーライ族のバッグで、トーライバッグと言われる。
・フリ族 Huli (ウイッグマン)と言う部族の男性は、自分の髪の毛だけでかつらを作り、初めて成人と認められる。その為、かつらの学校に入る。彼らは自分達の先祖は極楽鳥だと思っており、かつらの上には極楽鳥の羽根飾りを付ける(画像はwikipediaより拝借)。極楽鳥は、43種類いるうち38種類がパプアニューギニアやインドネシア領のイリアンジャヤに生息している。


また、このフリ族は風葬を行う。上の部分にご遺体を置き、下に落ちて来た体液などを身体に付けて戦いに行った。頭蓋骨は赤や白などに着色して飾る。博物館には輿ぐらいの大きさの物が展示してあった。ネットで探してみたもののこの画像の物がそれに相当するのか不明だが、alamy.com
より拝借。
・セピック川流域の人達は精霊信仰が非常に強い。男性は身体に傷を付けて、ワニの模様のようにする。そう言えば、エチオピアの南部のダサネチ族の勇者も、やっつけた(殺した)敵の人数を示すように胸に模様を入れていたのを思い出した(その様子は こちら)
胸に模様を付けた彼の写真は私が撮らせてもらったが、背中の模様の画像は daily mail uk より。アフリカとパプアニューギニアとでは距離は非常に離れていても、勇ましさを示す方法を考えることは一緒なのだとビックリ。

・第二次世界大戦の時に、16万~22万人の日本兵が来たが、1万人程度しか帰還出来ておらず。今現在も遺骨収集が行われている。
・16世紀頃から海沿いには白人は来てはいたものの、内陸の山岳地帯であるゴロカには1920年代になって初めて白人が入って来た。宣教師は当時はパイロットでもあり、各地に散って布教した。パプアニューギニアでは、石器を使っていたが、それ以降に鉄なども入って来なかった為、いきなり石器時代から現代に飛んでしまい、金の価値もわからず金を採掘しては服などと交換していた。パプアニューギニアでのゴールドラッシュ時に、多くの白人が入って来てその子孫の混血の人が、今現在もパプアニューギニアの政治経済の上層部を牛耳っている。
・高地では、草を灰にして水を入れて濾過して乾かすことで、塩を造っていた。塩化ナトリウムではなく塩化カリウムで、薬代わりだった。
・黒魔術を今も殆どの人が信じている。3年前に女性が魔女と言うことで火あぶりになり殺された。そのニュースがインターネットで世界中に拡散し、パプアニューギニアの議会が慌てて禁止した。
面白いのが、博物館は16:06に閉まったこと。公務員のオフィスは何処でも8時~16時06分までとなっていて、6分で帰り支度をせよと言うことらしいが、15時半頃からもう仕事はしていないとか(笑)
前日とこの日の2日間乗った車。普段は地元の人達の乗り合いバスにもなっている車両と運転手さんを2日間借り切ったのだが、ワイパーやバンパーの部分に白い結束バンドが多数ついている。正直言って、外の景色を見るにも邪魔な上、雨が降ってワイパーを動かそうものならもうわちゃわちゃ。呑気に景色も楽しめないのだが、運転手さん曰く、他にも多数ある乗り合いバスよりも目立った方がよりお客さんに乗ってもらえると思うからやった、良いアイデアだろう?ととても自慢げなドヤ顔。見辛いから外してくれとは言えず💦💦💦 しかし途中で同じようにデコレーションしている乗り合いバスを2台見かけた。なんだ、彼独自のアイデアではないんだ!と(笑)
ホテルに到着。やはりこの日も断水していたので、水が出るまでビールで一息入れて。
夕食を。恒例のチキンスープとナシゴレン。

ポットパイは、具沢山で案外美味しい。


アップルパイは、パイ生地は生焼けっぽくて美味しくないので、中のフィリングをいただいた。

この日、博物館以外で教えてもらったことの備忘録:・一昨年にAPECがパプアニューギニアで開催され、首都ポートモレスビーは非常に綺麗になった。外国からの要人向けに、40台以上の高級外車のマセラッティを空輸で購入したが、要人達は防弾など完備された自国から持って来た車等を使った。政府は残ったマセラッティを売ろうと入札をしたが、舗装道路ですら悪路のパプアニューギニアではマセラッティは不向きで1台しか売れず、今も不良在庫状態だとか。。。・今まで首都ポートモレスビーですらいなかったストリートチルドレンが、昨今の貧富の差により現れて来た。・お酒に弱くすぐに酔っては喧嘩などもしてしまうパプアニューギニア人なので、クリスマスなどのフェスティバルシーズンは禁酒令が地域によっては出る。・牛乳ですら、オーストラリアやニュージーランドからの輸入に頼っており、1リットル280円程。卵も輸入で、12個で10キナ(約320円)。・うっかり車で道に居る家畜を轢いてしまったら、鶏で20キナ(約640円)、豚で1000キナ(32000円)を支払う。もし、人間を轢いてしまったら、絶対に車を停めてはいけない。轢かれた人の家族から殺されるので、まず運転者は警察に逃げ込んで、身の安全を確保してもらってから。(凄い、アフリカよりも激しい!!)・部族で偉い人は一夫多妻。今現在でも、議員なども大勢の奥さんが居るが、パプアニューギニアでは婚姻届けを出す習慣があまり定着していない。子供は平均1家庭に5人程度だが、養子も多く、親が亡くなるなどしても親戚が育ててくれる。・もともと狩猟民族なので、獲物が見つからずに食べられない期間があっても大丈夫な身体になっているが、食が豊かになった今は食べ過ぎてしまい、糖尿病や心臓疾患の人が多い。・5年ごとに選挙が開催される。投票率は100%。ひとつの議席に48人立候補したこともある。立候補するには1000キナ(約32000円)を支払う。票を獲得する為に結構ばらまきも行われる。投票には、第一希望~第三希望まで投票でき、地域によって投票日も異なる為、場所を変えて何度も投票する人も。投票時には治安部隊まで駆り出されるが、開票には3週間ほどかかる。女性の地位は低く、かつて女性知事1人と女性議員2人が居たが、2017年現在では女性の政治家は全くいない。・「パプアニューギニア」のネーミングは、パプア(縮れ毛)のギニア人に似た人、と言う意味。パプアは16世紀にやって来たポルトガル人が命名。・森で一番危険な生き物は、ヒクイドリ。・屠殺は誰がやっても構わない。民族楽器の太鼓に張る皮はオオトカゲの皮などを使い、有袋類のクスクスの頭や手を使ったりもする。・800もの民族がいてそれぞれの言語を話すパプアニューギニアでは、「ワントーク」と言われるようにそれぞれの民族どおしの繋がりが強い。違う民族間との結婚もあるが、山岳部族の中には、他の部族とあまり混ざっていない部族もあり、その場合は身長が低い。・車はほぼ持っていない。村で1台や2台と言った状況。日本で10万円の中古車が、パプアニューギニアでは100万円ほどになる。

コメント
コメント一覧 (4)
お茶で毒殺 先日の大河ドラマ 🦒が来るのラストで そのシーンが・・・
な~が nagacumatz
が
しました
先祖が極楽鳥の方、なるほど!という感じの装いですね。
結束バンドと同じにしてはいけないんでしょうけど、目立ってなんぼの世界でしょうか。
人を轢いてしまったら警察へ逃げ込め、というのはすごいですね~。
でもまあ、警察は機能しているということなんですね。
な~が nagacumatz
が
しました