アリーナ・コジョカルの来日公演に行くことに。しかし、そこまでは二転三転、いや四転・・・
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アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru イングリッシュ・ナショナル・バレエ / リードプリンシパル。1981年ルーマニア生まれの38歳。
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フリーデマン・フォーゲル Friedemann Vogel シュツットガルト・バレエ団 / プリンシパル
1979年ドイツ生まれの40歳!
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セルゲイ・ポルーニン Sergei Polunin  ミュンヘン・バレエ団 / ゲストプリンシパル。1989年ウクライナ生まれの30歳で、「世界一優雅な野獣」だの「孤高の天才バレエダンサー」だのと書かれている。彼にはコジョカルからAプログラムへの参加を依頼していたが、芸術的な理由をもって固辞され、主催のNBS(日本舞台芸術振興会)からも彼に説得を試みたが考えは変わらず、「マルグリットとアルマン」のみの出演となったと書かれていたが、、、
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ヨハン・コボー Johan Kobborg アリーナ・コジョカルのパートナー。1972年デンマーク生まれの47歳??!!
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オシール・グネーオ Osiel Guouneo  ミュンヘン・バレエ団 / プリンシパル。1990年キューバ生まれの30歳。
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ナンシー・オスバルデストン Nancy Osbaldeston 1989年イギリス生まれの30歳。フランドル国立バレエ団 / プリンシパル
キム・キミン
キム・キミン Kimin Kim  マリインスキー・バレエ / プリンシパル。1992年韓国生まれの28歳。1月に追加出演として発表された。
エリサ・バデネス
エリサ・バデネス Elisa Badenes  シュツットガルト・バレエ団プリンシパル。スペイン生まれ。今回のコジョカルの怪我により、急遽参加。Bプログラムのみ。
円加菅井
菅井円加 ハンブルク・バレエ団プリンシパル。1994年生まれの25歳。今回のコジョカルの怪我により、急遽参加。AプログラムもBプログラムも。

ヤスミン・ナグディ Yasmine Naghdi  英国ロイヤル・バレエ団/プリンシパル。Aプロでの出演。以前の英国ロイヤルの公演時に、怪我の為に観られなかったので、残念ながらBプロを買った為にまた見られず。


しかし、今回の演目はギリギリまで変更につぐ変更となった。
昨年12月24日現在発表でのBプログラムは、「マルグリットとアルマン」「眠れる森の美女よりローズ・アダージオ」「追憶」「春の声」の4演目にアリーナ・コジョカルが出る予定で、他に「ディアナとアクテオン」「エディット」「ABC」となっていた。

1月6日に、追加で発表されたキム・キミンと共に、アリーナ・ソーモワの追加出演が発表されていたにもかかわらず、アリーナ・ソーモワは急な個人的な事情から来日することが出来なくなったと。
そしてコジョカルの怪我により、2月3日にプログラムが大幅変更になり、出演予定だった「眠れる森の美女よりローズ・アダージオ」「春の声」がなくなり、その時「追憶」はプログラムに未だ入っていた。

しかし、コジョカルの怪我の具合が良くなく、「追憶」はキャンセルとなり、コジョカルの出演は後半の「マルグリットとアルマン」のみに。そしてプログラムには、コジョカルの出ない「ABC」が一度なくなったが復活し、「モノ・リサ」も加えられた。

また、9日現在、11日に行われる滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールでの最終公演には、オシール・グネーオが個人的な都合で出ないこととなり、また演目が変わっていた。ただ、びわ湖もBプロだが、東京ではAプロで唯一コジョカルが出演した「マノン」も追加されている。つまり、びわ湖だけ、コジョカルを2演目見られると言うことになっている。
しかししかし、それにしても変更に次ぐ変更は、興行主さんも大変だなぁと。

第一部

◆「伝説」
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(ネットから拾った画像の為、ダンサーは不明)
振付:ジョン・クランコ 音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル
しょっぱなから女性のお尻の部分を支えるシングルハンドリフトに始まったが、2回目のシングルハンドは上がりきらずに肩に乗せ、よいしょっと持ち上げ直していた。3回目は成功。さまざまなリフトが多く面白かった。

◆「ヴァスラフ」より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
菅井円加 
ニジンスキー本人の未完の作品をノイマイヤーがバレエ化した1幕もので割と短い演目。パトリック・デュポンが初演した。

◆「ディアナとアクテオン」
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(画像の男性はオシール・グネーオだが、女性は別のダンサー)
振付:アグリッピーナ・ワガノワ 音楽:チェーザレ・プーニ
ナンシー・オスバルデストン、オシール・グネーオ
グネーオがシングルハンドでリフトしつつ、片足になったのには驚かされた。また、ピルエットも全く芯がぶれないのも凄い。

◆「ABC」
振付:エリック・ゴーティエ
音楽:フィリップ・カニヒト
ヨハン・コボー 
時にはコミカルに、シリアスに。

◆「モノ・リサ」
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(画像の男性はフリーデマン・フォーゲルだが、女性は別のダンサー)
振付:イツィク・ガリリ
音楽コンセプト・作曲:トーマス・ヘフス、イツィク・ガリリ
エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル
フォーゲルの足の筋肉美に見とれていたが、後半から上着も脱ぎ、まるでダビデ王のような体脂肪のない綺麗さ(40歳とは思えない!)。こちらも難度の高いリフトが続くが、この時はばっちり。

◆「エディット」(新作世界初演)
振付:ナンシー・オスバルデストン 音楽:エディット・ピアフ
ナンシー・オスバルデストン
新作世界初演とのことで、エディット・ピアフの歌に本人が振り付けをしている作品。

◆「海賊」
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
菅井円加、キム・キミン
良かったが、キムさんがひとりでジャンプしつつ舞台手前に出てくるところで、3つ目のジャンプの時に本人は未だもっと舞台が先にあると思っていたのに舞台の端が見えたからか、ワッと声を出して慌ててジャンプを小さくお尻を落とすように着地。菅井さんはとても丁寧に踊っておられた感。

第二部

◆「マルグリットとアルマン」全編
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:フランツ・リスト
マルグリット:アリーナ・コジョカル
アルマン:セルゲイ・ポルーニン
アルマンの父:ヨハン・コボー
公爵:木村和夫 東京バレエ団ほか
ピアノ:アナ・シルヴェストリ


アフタートーク
終演してから、この日だけ、コジョカルのアフタートークが行われた。
舞台衣装とは異なり、赤いカジュアルなセーターにパンツ、黒い大きめと言うよりごっついスニーカーと言った普段着でお化粧もすっかり落としてからの登壇。
非常に的確に早く通訳をされているのだが、コジョカルが話し出すとひとつの質問への答えが長くて内容も深くなってしまい、司会者の方がこの調子だと2~3日かかるだの、日付を超えてしまうだの、とアプローチしつつ何とか纏め上げての40分ほど。
司会者から、予めファンの人から聞いてほしいことをアンケートしたと言う内容に沿ってコジョカルが答えていく。
・今回2部で踊ったフレデリック・アシュトン振付の椿姫は、ストーリーをはしょる部分も多い為にシーンからシーンへの感情移入が難しいと。
・2歳のお嬢さんを持つことは大変だが非常に嬉しい。立ち止まって過去を見る機会ともなった。
・現在所属しているイングリッシュ・ナショナル・バレエでのアクラム・カーン版『ジゼル』の振付が良いので見てほしいと。
・8年前の状況なら、今の年齢(38歳)では引退していた。加齢することで、より painful になって踊り続けるのか?とも思うが、スポーツ科学や周囲の人達のサポートで踊れている。
・コンテンポラリーもその工程が楽しく発見もあり興味はあるが、自分はクラシック派である。
・出来ないと言う事を認めることが、ようやく出来るようになった。今回怪我をしてしまったことで、来日公演を全てキャンセルするという選択肢もあったが、何とかしようと言う選択にいたり、その決断は正しかった。
・セルゲイ・ポルーニンとのペアは以前にも組んだことがあるが、今回もやってみたかったととても絶賛するので、司会者からフリーデマン・フォーゲルとは?と指摘され、苦笑いしつつ彼は情熱などがコジョカルと似ていると答えていた。


アフタートークが終了し、会場の外に出ると、偶然にもちょうどコジョカルが楽屋口から出て来て、ファンの人達のサインに応じていた。
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早々に道玄坂を駅に向かおうとしていたところ、これまた偶然にも、セルゲイ・ポルーニンとヨハン・コボーが!! お願いして写真を撮らせてもらったが、にこやか系のヨハン・コボーに比べ、確かにセルゲイ・ポルーニンはイケメンだが孤高の優雅?野獣系かも(笑)