俳優・劇作家・演出家・脚本家・映画監督の松尾スズキ氏が、渋谷文化村のシアターコクーンの芸術監督に就任して初めてとなり、20年ぶりの書下ろしミュージカルに、長澤まさみさんや阿部サダヲ氏が出演するとのことで、観に行った。

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作・演出:松尾スズキ
音楽:渡邊崇
出演:長澤まさみ、秋山菜津子、皆川猿時、栗原類、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、笠松はる、篠原悠伸、山口航太、羽田夜市、笹岡征矢、香月彩里、丹羽麻由美、河合優実、片岡正二郎、オクイシュージ、阿部サダヲ

Screenshot_2020-10-14 フリムンシスターズ - flyer pdf(1)
まずは舞台が無事に開いて本当に良かったなと。

10月24日から始まるところ、10月7日に阿部サダヲ氏が新型コロナに感染していることが判明。無症状ながらも、スタッフ全員のPCR検査を行い全員陰性と。阿部サダヲ氏抜きでの稽古を開始したものの、準主役と言うか一番セリフ量も多いかと思われる阿部サダヲ氏が復帰して初通し稽古をしたのがゲネプロ(初日公演や演奏会の本番間近に本番同様に舞台上で行う最終リハーサル)の前日という状況だったとのこと。以下は、10月13日に文化村から発表された内容。

Bunkamura

<※ 以下ネタばれあり>

フリムンとは、沖縄の方言で「気がふれる」「狂ったような」「バカ」を意味する言葉。

開演前には、松尾スズキ氏が携帯などのウォーニングアナウンス。「堅苦しいことばかりで恐縮です。」と。終わった時も「演出の私が言うんですから本当に終演です。」

 

松尾スズキ氏の演劇を観るのは、友人も私も初めてだったので、もっと予備知識を入れて臨むべきだったのかもしれないが、ぶっとぶ展開と言うべきか、驚かされることが多くて💦 

ストーリーテラーとしての皆川猿時氏も、なかなか良い。(以下の画像は全て cinemacafe.net より)

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前半の終わりの歌の歌詞が、もう幕が降りる、パンフレットで知らないキャストを確認する時間、というような内容で笑った。実際、前半が終わって休憩の時にはパンフレットを持っている人が増えたような(笑)

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面白かったのは、
  • 新宿2丁目と3丁目の違いによる、2丁目のゲイストリートと3丁目の伊勢丹の攻防(笑) 
  • 「自民党に知り合いがいるから揉み消してもらえる」と言うセリフ
  • マイフェアレディの著作権ギリギリの歌
  • かつて人気のあった女優の尿漏れCM
  • ミュージカルのパロディとして、「オペラ座の怪人」「屋根の上のバイオリン弾き」「キャッツ」「アニー」「ピーターパン」に扮した人達の登場。

ブラックユーモアで、炎上ギリギリの主題を挙げている。そのテーマの多さにてんこ盛り感もあるのだが、ひとつに絞らせないのはあえて狙いなのかなと思ってみたり。

  • LGBTQ 
  • レイプされたことによるヘイト
  • アメリカの黒人は奴隷の子孫
  • 奄美大島のユタは、弾圧され奴隷だった
  • 沖縄の駐留米軍による日本人女性の売春
  • 在日韓国人
  • 「後ろからズドン」が何度も連呼され、実際にズドンと殺す・・・
  • 不倫
  • 首吊りの実演は生々しいのだが、首吊り実演をしてみせる栗原類氏が「生きろ!」と。最近の色々な世情から脚本は変えられたのだろうか。

内容全般を咀嚼するのに少々時間がかかってしまったが、 最初あまり声が出ていなかったように思った阿部サダヲ氏も徐々にエンジンがかかって来てとても良かった。秋山菜津子さんはさすがの存在感。生演奏なのも良かったが、休憩の20分を入れて3時間半と長い舞台なので、もっと長澤まさみさんの歌があっても良かったかなと。

ここ最近は、客席数の半分だけの入場による快適な観劇に慣れてしまっていたので、今回は私や友人の両隣は空席になっていたものの、詰まっている列もあるなど、不思議な配席だった。

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