寺田倉庫は文字通りの美術品保管のみならず、美術品修復・輸配送・展示といった分野から、アート施設の運営・若手アーティストの支援など、アート関連事業を広く発展させて来た。そして、アートコレクターから作品を預かり、保管する貴重なアート資産を公開し、その価値と魅力を広く開花させることを目的とした芸術文化発信施設「WHAT」なる美術館を12月12日にオープンしたので行ってみた。「WHAT(WAREHOUSE OF ART)」という施設名称には「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」というコンセプトが込められているのだそう。
オープニング展「-Inside the Collector’s Vault, vol.1-解き放たれたコレクション」では、高橋龍太郎氏とA氏2名のコレクターが収集した、新作から未公開作品まで約70点に渡るコレクションが展示されている。まずは高橋龍太郎コレクションを。
高橋龍太郎氏は、精神科医であり、日本を代表する現代美術コレクター。1997年より本格的に現代美術のコレクションを開始し、所蔵作品は現在2000点以上。これまでに国内外21館の美術館などで高橋コレクション展が開催されてきた。今回の展示では、これまでのコレクションの重要な作品を展示することを敢えて避け、これまで展示されてこなかった若いストロークの強度を感じさせる作家作品を展示したとのこと。
会田誠、今津景、梅沢和木、大山エンリコイサム、岡﨑乾二郎、川内理香子、草間彌生、合田佐和子、近藤亜樹、鈴木ヒラク、佃弘樹、土取郁香、DIEGO、野澤聖、BIEN、水戸部七絵、村山悟郎、毛利悠子の18名の作家の作品が約30点展示される。
近藤亜樹「ウータン山」2010
この絵を描いていた当時23歳だった近藤氏の描きまくるエネルギーは、近くに居る画学生達が恐れをなして作家活動を諦めてしまうほどだったとか。近藤氏が、東北芸術工科大学の大学院に在籍していたときの作品。
水戸部七絵「DEPTH」2015
高橋龍太郎氏が、2016年に水戸部氏のアトリエを訪れた時、顔を描いたと言うこの作品に驚いたと。絵画なのか、彫刻なのか。油絵具を盛り上がるように塗り重ねていく水戸部の作風を象徴する作品で、巨大な鉄製のパネルで支えられた絵具の重量感とともに、内部では未だ乾いていないのだそう。
川内理香子「Forest of the night」2019
食と身体と神話の世界が融合した人間の原風景。
椰子の木には脳味噌、その横には胃袋や腸や腎臓が描かれている。
川内理香子「limb」2018
針金を使った立体作品。
土取郁香「I and You (knock knoc knock)」2020
未だ25歳の作家さん。2020年の初の個展では既に完売で、高橋龍太郎氏が今回のこの展覧会に間に合うように、土取郁香氏に依頼された作品。
2階にあがると、ホール前には高橋龍太郎氏の肖像が映し出されている。
野澤聖「Obssesion ー収集家の肖像ー」(撮影不可の為、画像は美術手帖より)1年以上かけて完成した作品。この画像にはないが、草間彌生氏のドットとコラボしていくように映し出され、高橋龍太郎氏が草間彌生氏の作品をきっかけにコレクターとなられたことを示しているのだそう。
草間彌生「No.27」1997
コレクションとして最初に購入された作品。(撮影不可の為、画像は美術手帖より)
会田誠「ランチボックス・ペインティング」シリーズ 2016
「した」「かび」「すか」「さあ」「ちび」「よひ」
市販の使い捨てのお弁当箱の容器に、着色した発泡ウレタンを配置して構成された抽象作品。
村山悟郎「学習的ドリフト あなたがこの作品を観る順序を、わたしは制作の手順としてつくりなおす」2014
一番上のラインが決まると、ある一定の法則によって、次々と下のラインが決定されるという「オートポイエーシス(自己創出)」理論を応用した作品、とのこと。
鈴木ヒラク「GENZO #10 #11 #15 #35 #63」2014 / 2015
昨年、アニエスベーギャラリーブティック agnès b. galerie boutiqueで、鈴木ヒラク展「Silver Marker and Some Stones」を観ていたので(その様子は こちら)、より親近感😂
梅沢和木 「ジェノサイドの筆跡」2009
ネットの画像を大量に集めフォトショップでコラージュし、そこに加筆する手法。当時は著作権の問題との批判もあったが、今やデジタルコラージュの代表者とのこと。なるほど、近寄って良く見ると、細かい画像が貼られている。
大山エンリコイサム「フィグラティ #162」2017
今津景「Swoon」2018
歴史的名画や植物図鑑などから採取した画像を編集し、再度キャンバスに描き直したもの。私見だが、ぱっと見た時、ダリのようなマックス・エルンストのようなイメージを受けた。
佃弘樹「Quarantine」2018
自分のスナップショットやドローイングをデジタルコラージュし、手書きのドローイングを加えた多重構造。
DIEGO 「Ladder Boys」2019
BIEN「Day For Night」2019
1993年生まれ。ストリートカルチャー、アニメ、フィギュアから影響を受け、そこから様々な表現形式を受け継いで、記号的に解体し再構成した新たな抽象世界を作っているとのこと。
毛利悠子「モレモレ:ショーケース #1」2019
日用品や機械の部品、楽器、おもちゃなどさまざまな物を組み合わせ、磁力や重力、空気の動きなど目に見えないものを、どう目に見せようか、聞かせようかをテーマにしている。この作品は、水漏れをテーマにした「モレモレ」シリーズ。

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オープニング展「-Inside the Collector’s Vault, vol.1-解き放たれたコレクション」では、高橋龍太郎氏とA氏2名のコレクターが収集した、新作から未公開作品まで約70点に渡るコレクションが展示されている。まずは高橋龍太郎コレクションを。
高橋龍太郎氏は、精神科医であり、日本を代表する現代美術コレクター。1997年より本格的に現代美術のコレクションを開始し、所蔵作品は現在2000点以上。これまでに国内外21館の美術館などで高橋コレクション展が開催されてきた。今回の展示では、これまでのコレクションの重要な作品を展示することを敢えて避け、これまで展示されてこなかった若いストロークの強度を感じさせる作家作品を展示したとのこと。
会田誠、今津景、梅沢和木、大山エンリコイサム、岡﨑乾二郎、川内理香子、草間彌生、合田佐和子、近藤亜樹、鈴木ヒラク、佃弘樹、土取郁香、DIEGO、野澤聖、BIEN、水戸部七絵、村山悟郎、毛利悠子の18名の作家の作品が約30点展示される。
近藤亜樹「ウータン山」2010
この絵を描いていた当時23歳だった近藤氏の描きまくるエネルギーは、近くに居る画学生達が恐れをなして作家活動を諦めてしまうほどだったとか。近藤氏が、東北芸術工科大学の大学院に在籍していたときの作品。
水戸部七絵「DEPTH」2015
高橋龍太郎氏が、2016年に水戸部氏のアトリエを訪れた時、顔を描いたと言うこの作品に驚いたと。絵画なのか、彫刻なのか。油絵具を盛り上がるように塗り重ねていく水戸部の作風を象徴する作品で、巨大な鉄製のパネルで支えられた絵具の重量感とともに、内部では未だ乾いていないのだそう。
川内理香子「Forest of the night」2019
食と身体と神話の世界が融合した人間の原風景。
椰子の木には脳味噌、その横には胃袋や腸や腎臓が描かれている。
川内理香子「limb」2018
針金を使った立体作品。
土取郁香「I and You (knock knoc knock)」2020
未だ25歳の作家さん。2020年の初の個展では既に完売で、高橋龍太郎氏が今回のこの展覧会に間に合うように、土取郁香氏に依頼された作品。
目元にキラリと光るのは絵の具の塊なのだが、なんともオシャレかと。
2階にあがると、ホール前には高橋龍太郎氏の肖像が映し出されている。
野澤聖「Obssesion ー収集家の肖像ー」(撮影不可の為、画像は美術手帖より)1年以上かけて完成した作品。この画像にはないが、草間彌生氏のドットとコラボしていくように映し出され、高橋龍太郎氏が草間彌生氏の作品をきっかけにコレクターとなられたことを示しているのだそう。
草間彌生「No.27」1997
コレクションとして最初に購入された作品。(撮影不可の為、画像は美術手帖より)
合田佐和子「グレタ・ガルボ」1975
高橋龍太郎氏が、医師になられたのは1979年で、この肖像画を買い、毎月1万円のローンを支払っておられたとのこと。案外小さな作品で22.7×15.8センチ。
岡﨑乾二郎「『誰だ。何をしにきた。』苔むした岩の間にさらさら音を立てる谷川の水はいつも冷たく澄んで、そのまま王の心でした。王が王なのは誰も来ないから。来ないかぎり王は王としてミズナラの洞に座り続ける。何千年も生きたろう巨木が立ち並び、その葉の茂みが空を覆う。足下は絨毯ではなく茨や葛ら、朽ち葉や枯れ枝。白い薄明かりが道を示し王子をここに連れてきた『あなたへ伝える』、何を伝えるのか。私が口を開いた途端、あなたはもう王ではない。静かだった森がごうと唸り声をあげる。」2016
なんとまあ、長いタイトルの作品なのか💦💦💦
会田誠「ランチボックス・ペインティング」シリーズ 2016
「した」「かび」「すか」「さあ」「ちび」「よひ」
市販の使い捨てのお弁当箱の容器に、着色した発泡ウレタンを配置して構成された抽象作品。
村山悟郎「学習的ドリフト あなたがこの作品を観る順序を、わたしは制作の手順としてつくりなおす」2014
一番上のラインが決まると、ある一定の法則によって、次々と下のラインが決定されるという「オートポイエーシス(自己創出)」理論を応用した作品、とのこと。
鈴木ヒラク「GENZO #10 #11 #15 #35 #63」2014 / 2015
昨年、アニエスベーギャラリーブティック agnès b. galerie boutiqueで、鈴木ヒラク展「Silver Marker and Some Stones」を観ていたので(その様子は こちら)、より親近感😂
梅沢和木 「ジェノサイドの筆跡」2009
ネットの画像を大量に集めフォトショップでコラージュし、そこに加筆する手法。当時は著作権の問題との批判もあったが、今やデジタルコラージュの代表者とのこと。なるほど、近寄って良く見ると、細かい画像が貼られている。
大山エンリコイサム「フィグラティ #162」2017
今津景「Swoon」2018
歴史的名画や植物図鑑などから採取した画像を編集し、再度キャンバスに描き直したもの。私見だが、ぱっと見た時、ダリのようなマックス・エルンストのようなイメージを受けた。
佃弘樹「Quarantine」2018
自分のスナップショットやドローイングをデジタルコラージュし、手書きのドローイングを加えた多重構造。
DIEGO 「Ladder Boys」2019
BIEN「Day For Night」2019
1993年生まれ。ストリートカルチャー、アニメ、フィギュアから影響を受け、そこから様々な表現形式を受け継いで、記号的に解体し再構成した新たな抽象世界を作っているとのこと。
毛利悠子「モレモレ:ショーケース #1」2019
日用品や機械の部品、楽器、おもちゃなどさまざまな物を組み合わせ、磁力や重力、空気の動きなど目に見えないものを、どう目に見せようか、聞かせようかをテーマにしている。この作品は、水漏れをテーマにした「モレモレ」シリーズ。

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