東京国立博物館では、「鳥獣戯画展」が平成館で開催されているが(その様子は こちら)、スピンオフ展も本館や東洋館でやっている。
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鳥獣戯画に因んだ他の作品や明治時代の模本もあり、撮影可能なので、その画像を。
鳥獣戯画に登場した動物と同じ動物の作品の展示は、ややこじ付けムリクリ感があるものの、登場している実際の道具などは良くわかる。
模本は、明治時代の山崎薫詮(1817~93)によるもの。平成館で見た模本よりもずっと本来の「鳥獣戯画」を綺麗にコピーしているように思える。

「鳥獣戯画 甲巻」弓の勝者に与えられる商品を運ぶ兎と蛙、「褐釉巴文四耳壺」南北朝時代14世紀 
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 「鳥獣戯画 丙巻」双六をしている人達。双六盤の左側の男性は賭けに負けて身ぐるみ剥がされており、その横には泣いている奥さんと、はいはいしている赤ちゃん。
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「竹菱葵紋散蒔絵双六盤」文化13年(1816年)二人で黒白の駒を使って、二個のサイコロを振って駒を進めて遊んでいた。平安時代には貴賤を問わずに流行し、江戸時代になると婚礼調度品としても誂えられた。この双六盤は、紀州徳川家十代・治宝(はるとみ)の四女・豊姫の婚礼調度品の一点。
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「鳥獣戯画 甲巻」で、法会で猿が蛙の像にお経をあげているが、「鳥獣戯画 丁巻」では簡素な掛け軸の絵になっていて、パロディのパロディとなっている。
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そのパロディのパロディになった掛け軸の絵はこれかも知れないとのこと。「角大師護符」比叡山中興の祖である良源(912~985)の画像。良源は没後も信仰を集め、二本の角を生やして魔を封じたと伝えられ、護符を戸口に貼り、疫病や災難避けとする風習が今も残っている。
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「鳥獣戯画 丙巻」首引き。
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「力士谷風と金太郎の首引き」喜多川歌麿筆 江戸時代19世紀。鳥獣戯画にある首引きの様子は、この丙巻と甲巻。甲巻ではオリジナルは現存しておらず模本にだけ残っている。
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「月宮八稜鏡」中国唐時代8世紀 漢時代以降、兎と蛙は生死を司る神・西王母のもとで不死の仙薬をつく役だった。また、有る女性がその仙薬を盗み月へ逃げたと言う伝承や、蛙を月の精とする考えもあり、これらがあいまって、兎と蛙が月で仙薬をつくと言う情景になったとのこと。
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東洋館では、「鳥獣戯画 超入門! A to Z!」なるビデオも上映していた。あいにく時間がなかったので割愛したが、東京国立博物館のこの展覧会への力の入れようが良くわかるかと😂


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