オリンピック・パラリンピックが開催される東京を文化の面から盛り上げるため 13
の企画を実施する「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル 13
」。そのひとつのイベントとして出来たのが「パビリオン・トウキョウ 2021」。パビリオンクリエーターとしての 8名と、特別参加の 1名のアーティストによる 9カ所のパビリオンが2ヶ月あまりの間に公開されている。
そのうちの一人、会田誠氏の「東京城」。
ダンボールとブルーシートは、非常に廉価であるにもかかわらず堅牢性を備えた頼もしい素材で、恒久性ではなく仮設性も象徴する点に、共通した特徴があり、会田誠氏は1995年から作品の素材に使用。この2つの素材を使うことで、何があっても容易に挫けない人間のしなやかな強さを示し、重くて硬く高額で恒久的な素材のみを使う現代彫刻などに対する批評性をはらんでいるとのこと。

設置されている石塁は、かつて江戸城を支えていた石垣を用いて神宮外苑造営の際に建設されたもので、関東大震災後のバラック建設の指揮官であり、小学校の鉄筋コンクリート化を推進した建築構造家・佐野利器が計画・建設したもの。
強調したいのは恒久性とは真逆の仮設性、頼りなさ、ヘナチョコさ──しかしそれに頑張って耐えている健気な姿である。どうなるか、やってみなければわからない。一か八か作ってみる。それを現在の日本──東京に捧げたい。
会田誠
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